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交通と土地利用

リスボン大学の通学・通勤を比較:キャンパスの交通アクセスと駐車条件に注目

Different destination, different commuting pattern? Analyzing the influence of the campus location on commuting

David Sousa Vale / Mauro Pereira / Claudia Morais Viana
Journal of Transport and Land Use

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リスボン大学の学生と職員を対象とした調査では、自宅からの距離だけでなく、キャンパス側の交通アクセスや無料駐車場の有無も、自動車利用と関連していた。

この論文のポイント

  • 分析対象は、週3回以上大学へ行く学生1219人と職員255人の計1474人だった。
  • 標本全体の公共交通利用は学生55.5%、職員16.9%、単独乗車の自動車利用は学生20.8%、職員68.6%だった。
  • 回帰モデルでは、職員の自動車通勤はキャンパスのアクセス指標と負に、学生の自動車通学は無料駐車場の有無と正に関連した。

背景と課題

通学・通勤を考える際は、自宅周辺の環境や移動距離に目が向きやすい。しかし行き先が日常的に通うキャンパスなら、そこへの公共交通アクセスや駐車条件も交通手段の選択に関係し得る。論文は、立地の異なる複数のキャンパスを持つリスボン大学を対象に、自宅という出発地とキャンパスという目的地の双方を調べた。

問いは二つある。学生と職員の移動傾向は異なるか。そして、自宅とキャンパスの建成環境、すなわち人口や施設の集まり方、道路の形、公共交通へのアクセスといった場所の条件は、通学・通勤とどう関連するか。分析では両集団を分け、居住地からの距離や社会経済条件も考慮した。

研究の方法

観測単位は、回答者1人が普段行う自宅から大学への移動である。2015年12月、オンラインと対面の調査で、自宅の7桁の郵便番号、交通手段、所要時間、移動の「ステップ」数、世帯の自動車台数などを得た。有効回答2037件のうち住所を位置情報に変換できたのは1882人。さらに、学生と職員の双方から回答がある学部に所属し、週3回以上大学へ行く人に絞り、学生1219人、職員255人の計1474人を分析した。キャンパス間の比較対象は5カ所である。距離は1km以下、1km超~4km以下、4km超~8km以下、8km超に区分した。

次に、自宅とキャンパスについて、道路網に沿った500mの到達範囲を設定し、人口・住宅、施設の数と種類、道路の形、公共交通の停留所などの条件を計測した。同じ側面を表す変数間の相関を調べて指標を選び、6変数を標準化して等重みでまとめた歩きやすさ指標と、3変数を正規化して等重みでまとめた0~1のアクセス指標を作成した。標準化・正規化は、単位の異なる値を合成するための処理である。キャンパスの無料駐車場は有無を表す変数とした。ただし、相関による選択基準や標準化・正規化の細かな計算式は本文にない。

分析ではまず、交通手段、所要時間、ステップ数の分布を学生・職員別、距離区分別、キャンパス別に集計し、カイ二乗検定で分布の違いを調べた。居住地については、地点の集まりを滑らかな面で示すカーネル密度図も作成した。最後に、自動車での移動を運転・同乗とも「1」、それ以外を「0」とし、職員、学生全体、25歳未満の学部生について別々にロジスティック回帰を推定した。この手法は、各条件と自動車利用のオッズ、つまり利用する確率と利用しない確率の比との関連を表す。係数が正なら、モデルに含む他の条件が同じ場合のオッズは高い。世帯人数や自動車台数、学生モデルでの年齢・所得、距離区分などを併せて扱い、得られた係数と有意性から、集団ごとにどの条件が関連するかを読んだ。

この研究の新しさ

特徴は、大学を一つの行き先としてまとめず、立地条件の異なる5キャンパスを比較した点にある。自宅側と目的地側の条件を測り、学生と職員のモデルも分けた。ただし、歩きやすさ指標とアクセス指標を作成したことと、それらがすべて回帰モデルの説明変数として採用されたことは別である。報告された職員モデルにはキャンパスのアクセス指標、学生全体のモデルには自宅の歩きやすさ指標とキャンパスの無料駐車場が含まれる。新たな予測アルゴリズムより、目的地を測る分析の視点に重点がある。

従来研究との違い

標本全体では、公共交通の利用割合は学生55.5%、職員16.9%、単独乗車の自動車利用は学生20.8%、職員68.6%だった。交通手段の分布にはカイ二乗検定でも差があった。1km超の職員では、単独乗車の割合が距離区分ごとに約7割だった一方、学生では距離が長い区分ほど高かった。1km以下の職員は2人だけなので、この区分の割合は慎重に読む必要がある。

キャンパス別では、学生の徒歩割合はISTで29.9%、ISEGで21.4%、Pólo da Ajudaで11.7%だった。FMHは徒歩が21.7%と比較的高い一方、単独乗車も52.2%だった。論文は、FMHには学生宿舎があり、公共交通アクセスは乏しいと説明する。「徒歩が多ければ自動車は少ない」とは単純に読めない例である。

結果と評価

回帰分析では、職員モデルでキャンパスのアクセス指標の係数が負だった(係数-1.896、p=0.042)。学生全体では、キャンパスの無料駐車場の係数が正だった(1.432、p<0.001)。後者のオッズ比は約4.19であり、「自動車利用の確率が4.19倍」という意味ではない。25歳未満の学部生モデルでも無料駐車場の係数は正だった。3モデルのNagelkerkeの擬似決定係数は0.414~0.431だが、これは分類の正答率ではない。

学生全体の自宅の歩きやすさ指標は負の係数だったものの、p=0.098で、通常の5%基準では統計的に有意とはいえない。これらは測定した条件を併せて扱ったうえでの関連であり、無料駐車場を廃止した場合の効果を推定した結果ではない。

限界・注意点

【著者が述べる限界】公共交通アクセスは停留所への近さなどで測られ、利用可能なサービス全体を十分には表さない。駐車条件も無料駐車場の有無だけで、供給台数、料金、周辺の駐車場を捉えていない。著者は、自宅とキャンパスの組み合わせごとに、実際に選べる交通手段を評価する必要も挙げる。

【編集上の検証事項】一大学の特定時点の調査であり、居住地や所属先を選んだ事情など、回帰に含まれない違いも残り得る。キャンパス間の関連を立地や駐車場だけの因果効果とみなさず、別の大学への適用時には条件を確かめたい。

現場への応用案

【編集上の提案】大学の交通対策を紹介する記事では、「駅に近いか」だけでなく、学生と職員を分け、自宅からの距離、目的地への公共交通アクセス、周辺の歩きやすさ、駐車条件を並べてみたい。5キャンパスの違いは、施策を考える際の着眼点として紹介できる。ただし、論文は各キャンパスで施策を実施し、その成功を確かめた研究ではない。

現場で確かめるには

【編集上の導入時の検証案】駐車場や交通サービスを見直すなら、変更前後に学生・職員別の交通手段と所要時間を同じ方法で調べる。学内外の駐車台数、料金、利用資格に加え、公共交通の運行頻度や乗り換え、自宅からの所要時間も記録したい。施策を行わない類似キャンパスとの比較は、同時期のほかの変化を見分ける助けになる。これは論文が実施した評価ではない。

解説は原文の要旨・本文の確認範囲に基づきます。AIで作成し、同じモデルで原文との照合を行っています。全記事の人手による校閲は完了していません。「現場への応用案」「現場で確かめるには」は編集上の検討案です。

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