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交通と土地利用

モスクへの徒歩アクセスを街路と路地から測る――アブダビ・ドバイ12地区の比較

Making religious buildings more accessible: The case of mosques in Abu Dhabi’s and Dubai’s neighborhoods

Khaled Alawadi / Nour Alkhaja / Mariam Alazab Alhadhrami / Sara Omar Mustafa
Journal of Transport and Land Use

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モスクへの徒歩アクセスは、施設の数や配置に加え、区画から入口へ至る街路と路地のつながり方によって異なることを示した研究である。

この論文のポイント

  • アブダビとドバイの計12地区で、区画からモスクへの400メートル・800メートル圏の徒歩アクセスを分析した。
  • 街路のみの場合と路地を含む場合を比べると、アクセス可能な区画の割合は多くの地区で増えたが、増加幅は地区ごとに異なった。
  • 著者らは、街路と路地の接続、区画や交差点の密度、モスクの数と配置が組み合わさって結果に関わると論じた。

背景と課題

モスクは礼拝だけでなく地域の社会生活にも関わる施設だが、交通・都市計画分野では徒歩での行きやすさを扱う研究が限られていた。本研究はアブダビとドバイの計12地区で、区画からモスクに届くか、複数のモスクを選べるかを調べる。アクセシビリティとは、ここでは歩行経路を通じて目的地に到達できる機会の大きさを指す。

対象地区は、郊外化以前、初期の郊外化、1985年以降の郊外化という三つの開発段階から選ばれた。著者らは街路の形、区画や交差点の密度、モスクの数と配置、路地の分布を記録し、地区間の違いとアクセス指標を照らし合わせた。

研究の方法

分析の出発点はモスク以外の各区画の中心点、目的地は既存モスクの各入口である。自治体の地理空間データと航空写真を使い、街路・路地・土地利用と、区画密度や交差点密度などの地区特性を地図化した。経路網は「街路のみ」と「街路に路地を加える」の二通りを用意する。それぞれで探索距離を400メートルと800メートルに設定した。論文はこれらを徒歩約5分、10分に相当する距離として扱う。距離は区画と入口の直線距離ではなく、ネットワークに沿った最短経路距離である。

次に、各区画から指定距離内にあるモスク入口を探し、入口ごとの寄与を足す。用いる重力指標は、近い入口を大きく、遠い入口を小さく数える値である。入口の初期重みはすべて1とし、距離が延びるにつれてその重みを減らす設定値βを0.004とした。したがって、同じ入口でも経路が短くなれば寄与が増え、到達できる入口が増えれば合計値も増える。モスクの規模や利用者の好みに応じた重みは付けていない。提示本文では式(1)の数式本体が欠けており、減衰関数の正確な形と数値の再計算手順は確認できない。

最後に区画ごとの合計値を、0.5未満は「アクセスなし」、0.5以上1.5未満は主に一つのモスクに届く「最低限のアクセス」、1.5以上は複数を選べるとみなす「選択可能なアクセス」に分ける。閾値は、入口が三つある仮想のモスクを異なる距離に置いた場合の合計値を基に設定された。各区分に入る区画の割合を地区別に集計し、距離と経路網の条件を変えて比較する。ただし合計値には入口の属するモスクが記録されず、近い一つのモスクの入口だけで1.5以上になる区画もある。区分は実際に選べるモスクの数を厳密に数えたものではない。

この研究の新しさ

モスクへの近さに加え、複数のモスクを選べる可能性まで区分した点に特色がある。区画を出発点、モスクの入口を目的地とする経路分析を街路のみと路地を含む条件で繰り返し、結果を地区の形態と照らし合わせた。これにより、路地がアクセス指標に与える変化を、街路の連続性やモスクの配置と併せて検討している。

従来研究との違い

両都市とも、郊外化以前・初期の地区ではアクセス可能と判定された区画の割合が高い傾向にある。ただし、開発段階に沿って一律に下がるわけではない。街路のみ、400メートル圏では、アブダビのWest Islandが74%、新しいAl Falahが38%だった。一方、ドバイの初期郊外地区Al Rashidiyaは82%で、郊外化以前のDubai Creekの79%を上回る。

格子状の街路だけでも結果は決まらない。Al Satwaは細かな格子状街路を持つが、区画数に対するモスクの比率が低く、Al Rashidiyaよりアクセス可能な区画の割合が低い。これらは選定地区間の記述的な比較であり、個々の形態要素の独立した因果効果を推定したものではない。

結果と評価

路地を経路網に含めたときの変化は地区ごとに異なった。400メートル圏で、アクセス可能な区画の割合はアブダビのBaniyasで58%から76%へ、ドバイのAl Qouzで69%から81%へ増えた。一方、Al Falahでは38%から39%、Dubai Creekでは79%から80%だった。既存街路とのつながりやモスクの配置によって路地の寄与が変わる、という著者らの解釈と整合する。

これらは指定した経路網、探索距離、重力指標の閾値に基づく区画割合である。実際に歩いた人の割合や、路地の整備後に観測された行動変化を示す数値ではない。

限界・注意点

著者らが挙げる限界は、分析が街区の物理的形態と施設配置を扱う一方、実際の移動行動、歩行環境の質、気候、文化的要因を捉えていないことである。分析ツールは合計値を個別のモスクに結び付けられず、モスクの規模や利用者の好みによる重み付けも行っていない。

編集上の注意点として、提示本文では式(1)の本体が欠けているため、重力指標を完全には再計算できない。「選択可能」の区分には、近い一つのモスクの複数入口だけで高い値になる例も含まれる。結果は選ばれた12地区と設定された経路・距離条件の範囲で読む必要がある。

現場への応用案

編集上の応用案として、地区内で「モスクに届かない区画」「主に一つに届く区画」「複数を選べると判定された区画」を分けて地図に示すと、施設の配置と経路の接続を検討しやすい。候補となる路地の接続やモスクの配置を変えた場合の区画割合を試算すれば、計画案を比べる材料になる。これは追加の分析案であり、論文が新たな整備案の効果を実証したという意味ではない。

現場で確かめるには

編集上の導入時の検証案として、まず現地で路地の通行可否、モスク入口の位置、横断箇所を確認し、地図上の経路が実際に歩けるかを点検する。次に歩行時間と迂回距離を測り、400メートル・800メートルの分析結果と照合する。利用者への聞き取りも加え、暑さ、歩道の状態、礼拝先の選好によって、計算上の到達可能性と実際の利用がどう異なるかを確かめる。

解説は原文の要旨・本文の確認範囲に基づきます。AIで作成し、同じモデルで原文との照合を行っています。全記事の人手による校閲は完了していません。「現場への応用案」「現場で確かめるには」は編集上の検討案です。

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