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交通と土地利用

買い物で「10分以上歩く」には、地区の歩きやすさはどこまで必要か

How much is enough? Assessing the influence of neighborhood walkability on undertaking 10-minute walks

Geneviève Boisjoly / Rania Wasfi / Ahmed El-Geneidy
Journal of Transport and Land Use

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モントリオールの調査では、買い物で10分以上歩くことに相当する移動は、地区の歩きやすさが最高の区分でも一段下より多いとは確認されず、車へのアクセスとも強く関連していた。

この論文のポイント

  • 対象は、2013年のモントリオール発着地調査で、自宅に関係する買い物移動をした14,769人。
  • 850メートル以上の買い物徒歩の調整後オッズは、Walk Score 80~89と90~100の間で有意差が確認されなかった。
  • 車へのアクセスがある人の同オッズは、ない人を基準に0.45だった。

背景と課題

歩きやすい地区では徒歩で移動する人が増える一方、店が近ければ一回の移動距離は短くなりうる。そこで論文は、「買い物で歩くか」と「一定の長さを歩くか」を区別した。研究が参照する当時の世界保健機関の推奨は、身体活動を少なくとも10分間続けることを重視していた。ただし、この研究が調べたのは買い物移動であり、健康状態や運動の効果そのものではない。問いは、モントリオール都市圏で、どの程度の地区の歩きやすさが10分以上の徒歩に相当する買い物移動と関連するか、である。

研究の方法

入力は、2013年のモントリオール発着地調査と、各人の居住地点に割り当てたWalk Scoreである。発着地調査には、世帯員が一日に行った移動の手段、目的、出発地、到着地などが記録される。Walk Scoreは0から100までの歩きやすさの指標で、高いほど施設への近さなどから歩きやすいと評価される。ただし、厳密な算出手順は非公開で、研究に用いた2013年取得分には、後に加わった街路の接続性が含まれない。分析対象は、手段を問わず自宅に関係する買い物移動を一回以上行った14,769人。徒歩による買い物移動の道路網上の距離を求め、論文は850メートルを10分に相当する距離として扱う。一回でもこの距離以上を歩いていれば「あり」、なければ「なし」と個人ごとに判定する。観測単位は移動一件ではなく個人であり、実測した歩行時間による判定ではない。

次に、居住地のWalk Scoreを0~49、50~59、60~69、70~79、80~89、90~100の六区分とし、最高区分を比較の基準にする。説明変数として、世帯所得、世帯の車保有に基づく車へのアクセス、年齢、性別、フルタイム就業、世帯人数を用いる。買い物以外で徒歩または自転車を利用したかも、活動習慣を考慮する変数に加える。個人を96の自治体地区にまとめ、多層ロジスティック回帰を行う。これは「あり」となる確率そのものではなく、その確率を「なし」の確率で割ったオッズを、個人の属性や地区のまとまりを考慮して比較する方法である。表のオッズ比が1より小さければ、投入した他の変数を一定としたとき、基準群よりオッズが低い。地区ごとに共通する未測定の違いも考慮するが、論文はモデルの詳細な式や推定手順を示していない。出力した区分別のオッズ比と、属性を固定した人物の予測確率を読み比べる。さらに同じ説明変数を使い、長さを問わない買い物徒歩の有無を分析するとともに、850メートル以上の買い物徒歩の回数を対象とする多層ポアソンモデルでも結果を確認した。

この研究の新しさ

特徴は、歩きやすさと「徒歩を選ぶこと」の関連だけでなく、「一定以上の長さを歩くこと」との関連を分けた点にある。徒歩移動が増えても一回の距離は短くなりうる、という土地利用と移動の関係を、買い物目的に絞って検討した。さらに、地区の指標と車へのアクセスを同じ分析に入れ、それぞれの関連を読み分けようとしている。

従来研究との違い

850メートル以上の買い物徒歩について、Walk Score 90~100を基準とした80~89の調整後オッズ比は0.98で、統計的に有意な差は確認されなかった。70~79も有意差は確認されず、60~69のオッズ比は0.61で有意に低かった。一方、長さを問わず買い物で歩いたかを見ると、80~89のオッズ比は0.70で、最高区分より有意に低い。「歩くか」と「10分以上に相当する距離を歩くか」では、Walk Scoreとの関連の形が異なる。これらは各地区の歩行者割合を直接比べた値ではなく、他の投入変数を調整したモデルの結果である。

結果と評価

車へのアクセスがある人の850メートル以上の買い物徒歩のオッズ比は、ない人を基準に0.45だった。調整後のオッズが55%低いという意味であり、歩く確率が55%低いわけではない。本文には車へのアクセスの比較方向を逆に記した一文があるが、結果表の基準群・オッズ比と他の記述は、アクセスがある側で低いことを示す。予測確率でも、この距離以上の徒歩はWalk Score 80~89付近で頭打ちになる様子が示された。ただし予測は、40歳のフルタイム就業女性など、図で指定した属性を固定した条件に基づく。地区を考慮したモデルと単層モデルの尤度比検定には有意な差があり、地区内のまとまりを考慮する根拠となった。多層ポアソンモデルでも、各説明変数の係数の方向と有意性の区分は一致した。

限界・注意点

著者が挙げる主な限界は、歩くことを好む人が歩きやすい地区を選んで住む「居住地の自己選択」を調整していない点である。そのため、建造環境と徒歩との関連を過大評価している可能性があり、結果を因果効果とは言えない。Walk Scoreには歩道や樹木などが十分反映されず、使用した2013年の値には街路の接続性も含まれない。指標の厳密な算出方法も公開されていない。対象は、一日の調査で自宅に関係する買い物移動をした人に限られる。編集上さらに注意したいのは、850メートルという距離による区分を、実測で10分間歩いたことや健康改善の証拠と同一視しないことである。

現場への応用案

編集上の提案として、地区の徒歩環境を紹介する際は、「徒歩で買い物に行く人」と「10分以上に相当する距離を歩く人」を別の指標で示したい。この研究の対象と条件ではWalk Score 80~89と90~100の間で後者の有意差が確認されなかったことを添えれば、指標が高いほど、どの歩行指標でも必ず良いという単純化を避けられる。

現場で確かめるには

編集上の導入時の検証案として、土地利用の変更や車保有に関わる施策を検討する地域では、施策前後に同じ定義で自宅に関係する買い物移動を記録し、徒歩の有無と850メートル以上の徒歩を別々に追うことが考えられる。居住者の入れ替わり、車保有、所得、店舗までの距離も確認し、変化を施策の効果と即断しない。健康上の効果を確かめるには、実際の歩行時間や健康指標を別途測る必要がある。

解説は原文の要旨・本文の確認範囲に基づきます。AIで作成し、同じモデルで原文との照合を行っています。全記事の人手による校閲は完了していません。「現場への応用案」「現場で確かめるには」は編集上の検討案です。

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