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自転車

買い物・用事の自転車利用は、どの距離帯の街の環境と関連するか

Associations of utilitarian cycling with destinations and street connectivity assessed within multiple buffers

Firas Mohamed / Manoj Chandrabose / Neville Owen / Takemi Sugiyama
Journal of Transport and Land Use

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豪州ビクトリア州の旅行調査を用い、日常の用事での自転車利用と、距離帯ごとの目的地・交差点密度との関連を調べた研究です。

この論文のポイント

  • 豪州ビクトリア州の1,105小地域について、日常の用事での自転車分担率と周辺環境の関連を分析した。
  • 報告済みの自転車移動距離に基づき、0~1km、1~1.8km、1.8~4kmの三帯で目的地・交差点密度を測った。
  • 三帯を同時に扱う分析では、利用の有無と、利用がある地域での分担率とで、関連する距離帯が異なった。

背景と課題

自転車利用と街の環境を調べる研究では、自宅の周囲に「バッファ」と呼ぶ測定範囲を設け、その中の施設や道路を数えることが多い。しかし、従来の自転車研究で使われた範囲の半径には、実際の走行距離による裏づけが限られていた。徒歩向けの範囲をそのまま使うと、自転車で行ける目的地を捉え損ねる可能性がある。

本研究の対象は、買い物や用事など、日常の必要を満たすための自転車移動である。通勤・通学は含めない。著者らは、目的地の多さや街路のつながりやすさと、自転車利用の有無・利用割合との関連が、家からの距離帯によってどう異なるかを調べた。

研究の方法

観測単位は個人ではなく、豪州の小地域SA1である。2012~2020年のVISTA旅行調査では、参加者が24時間の移動手段、出発地、目的地、移動目的などを記録した。著者らは18~74歳の参加者について、自宅を出発地または到着地とする買い物・用事の移動を取り出した。SA1ごとに、そのうち自転車による移動件数を、全交通手段による該当移動件数で割って100を掛け、自転車分担率(%)を求めた。目的変数は、分担率がゼロかゼロを超えるか、およびゼロを超える地域での分担率である。該当移動が30件以上あるSA1から、最内側の測定範囲より面積が大きい18地域を除き、1,105地域、参加者43,965人を分析した。個人の住所は利用できないため、環境測定の起点には各SA1の重心を用いた。

距離帯の境界には、別の豪州研究が報告した実用目的の自転車移動距離の20、50、80パーセンタイル値、すなわち短い順に並べた距離の各位置に当たる1、1.8、4kmを使った。重ならない第1帯(0~1km)、第2帯(1~1.8km)、第3帯(1.8~4km)を重心から設定し、各帯の施設数・交差点数を帯の面積(km²)で割って密度を計算した。目的地は、スーパー、コンビニエンスストア・新聞販売店、鉄道駅からなる中核集合と、食料品店、診療所、薬局、図書館、郵便局も加えた拡張集合を区別した。交差点は三差路以上と四差路以上を区別した。

分担率にゼロが多いため、二部回帰を用いた。第1部のロジスティック回帰は全1,105地域で利用が観測されるオッズを、第2部の線形回帰は利用が観測された209地域での分担率を扱う。モデル1では密度を距離帯ごとに調べ、モデル2では同じ種類の密度を三帯同時に入れた。目的地密度と交差点密度は別々のモデルで検討し、いずれも地域の平均年齢、60歳以上の割合、男性割合、社会経済的不利の指標を調整した。結果は、密度が標準偏差一つ分高い場合に対応するオッズ比、または分担率の差(百分率ポイント)として示される。

この研究の新しさ

測定範囲の境界を、報告済みの自転車移動距離の分布から定め、重複しない三つの距離帯で環境を測った点に特徴がある。さらに、利用が観測されるかどうかと、観測された地域での利用割合を分けて調べた。これにより、同じ環境指標でも二つの結果との関連が異なることを示した。

従来研究との違い

距離帯を一つずつ扱うモデル1では、目的地密度も交差点密度も、すべての帯で利用の有無と分担率の両方に正の関連を示した。三帯を同時に扱うモデル2では、関連する帯が異なった。中核目的地密度は利用の有無とは全帯で正に関連し、分担率とは第2帯でのみ正に関連した。四差路以上の交差点密度は、利用の有無とは第3帯で、分担率とは第2帯で正に関連した。一方、第1帯の交差点密度と分担率には負の関連があった。著者らは近距離では徒歩との関係も考えられると述べるが、その理由はこの分析では確定できない。

結果と評価

1,105地域のうち896地域(81%)では、調査で実用目的の自転車移動が観測されなかった。観測された209地域の平均分担率は5.9%だった。モデル2では、中核目的地密度が標準偏差一つ分高い場合、第2帯の分担率の係数は0.7百分率ポイント(95%信頼区間0.1~1.3)だった。四差路以上の交差点密度では、第2帯の分担率の係数が1.4ポイント(同0.3~2.5)、第3帯の利用有無に対するオッズ比が1.7(同1.3~2.3)だった。分担率の係数は、利用が観測された地域に限った推定値である。

中核目的地と拡張目的地の密度、および三差路以上と四差路以上の交差点密度は、それぞれ強く相関した。このため著者らは、主な回帰結果を中核目的地と四差路以上の交差点で示した。第2部で利用が観測された地域だけを扱うことについては、標本選択による偏りを感度分析で調べ、有意な偏りは見られなかったと報告している。

限界・注意点

著者らが挙げる限界には、24時間の日誌では不定期の自転車利用を捉えにくいこと、回答率が約50%で一部の属性が過少に含まれる可能性、個人の住所に代えてSA1の重心を使ったことがある。距離帯の境界には別の選び方もあり、自転車道、交通量、勾配は測っていない。地域単位の分析では個人差を十分に扱えず、横断的な関連から環境整備の因果効果も分からない。著者らは、豪州で得た距離帯や関連を自転車利用の盛んな国へそのまま当てはめることにも慎重である。

現場への応用案

編集上の提案として、自治体向けの解説では「自転車利用が観測される地域の条件」と「観測された地域で分担率が高い条件」を分けて示すとよい。第2帯の結果も、施設を増やせば分担率が上がるという因果効果としては表現しない。

現場で確かめるには

編集上の導入時の検証案として、別の都市ではまず実用目的の自転車移動距離を調べ、適切な距離帯を設定する。そのうえで、地域の重心を使った密度と実際の居住地点を使った密度を比較し、自転車道、交通量、勾配、個人属性も考慮して、得られる関連がどの程度変わるかを確かめたい。

解説は原文の要旨・本文の確認範囲に基づきます。AIで作成し、同じモデルで原文との照合を行っています。全記事の人手による校閲は完了していません。「現場への応用案」「現場で確かめるには」は編集上の検討案です。

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