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交通と土地利用

自宅と職場の組み合わせで見る、モントリオール新鉄道の利用意向

Will you ride the train? A combined home-work spatial segmentation approach

Vincent Obry-Legros / Geneviève Boisjoly
Journal of Transport and Land Use

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通勤者を自宅と職場の立地条件で分類すると、建設中だった新鉄道REMを使いたいという回答に、群ごとの差が見られた。

この論文のポイント

  • 2019年の調査から、分析に必要な情報がそろった就業者1698人を対象とした。
  • 自宅と職場の計14の立地変数で通勤者を6群に分け、5段階のREM利用意向との関連を調べた。
  • 個人属性や態度などを考慮した回帰分析では、典型的通勤者群以外の5群で、高い利用意向を答えるオッズが有意に低かった。

背景と課題

新しい公共交通への利用意向を調べる研究では、個人の態度や属性、自宅周辺の環境が重視されてきた。しかし通勤では、自宅の近くに駅があっても、職場側で目的地に行きにくければ利用しにくい。本論文は、自宅と職場を一組の条件として捉え、カナダ・モントリオールで建設中だった自動運転の軽量鉄道REMを対象に、その条件と通勤時の利用意向との関連を調べた。2019年の調査で尋ねたのは、完成後に使うと思うかという申告であり、開業後の乗車実績ではない。

研究の方法

観測単位は、2019年モントリオール・モビリティ調査の回答者1人である。非就業者、自宅・職場の位置が有効でない人、分析に必要な属性や空間変数が得られない人などを除き、就業者1698人を対象とした。自宅と職場の位置は、カナダ国勢調査の小地域であるDA単位で得られ、調査回答に同じ地区単位の空間データを結合した。各地点について7変数、計14変数を作る。内訳は、鉄道・地下鉄・計画中のREMの駅がそれぞれ経路距離1km以内にあるかを示す3変数、朝6~9時に1km以内を通るバス便数、都心業務地区までの直線距離、施設への近さと徒歩経路に基づく0~100のWalk Score、密度である。密度は自宅側では人口、職場側では雇用を用いる。距離の起点はDAの中心点とした。

まず、この14変数を使い、PAM(各群を代表する観測対象を置いて似た対象をまとめる分類法)で回答者を分類した。著者らは群数を検討する図を踏まえて5~8群を試し、5群では違いを捉えにくく、7・8群では主に距離の違いで既存の群が分かれるだけだったとして、6群を選んだ。群ごとの立地や回答は集計し、空間分布も確認した。ただし本文は、二値変数と数値変数を組み合わせる距離の定義、PAMに投入する前の尺度調整、代表点の具体的な更新手順を示していない。結果を説明する図には標準化値が使われているが、分類時にも同じ処理をしたとは確認できない。

次に、目的変数を「REM完成後に使う可能性」への5段階の回答とし、所属群と回答との関連を順序ロジット回帰で推定した。これは回答の順序を保ち、より高い利用意向の区分に入るオッズを比べる方法である。最初は群だけを用い、その後、所得などの個人属性、交通定期券の保有や移動習慣、REMへの評価を段階的に加えた。典型的通勤者群を基準とする群のオッズ比が1未満なら、ほかの条件を考慮した後も、その群では高い意向を答えるオッズが低いことを表す。これは実際の利用確率の減少率ではない。最後に説明変数の寄与を順位づけるドミナンス分析を行ったが、その計算手順の詳細は本文にない。

この研究の新しさ

特徴は、自宅側と職場側の立地を組み合わせて通勤者を分類し、その所属群を利用意向の回帰分析につなげた点にある。これにより、同じ郊外居住でも、都心へ通う人と郊外へ通う人を区別できる。一方、群は駅への近さ、密度、都心距離などを同時に含むため、この分析だけで個々の立地条件の独立した効果を特定することはできない。

従来研究との違い

著者らは、個人属性や態度などを含むモデルに群の変数を加えた場合を比較した。対数尤度は追加前の−2400.7から追加後の−2388.9となり、本文は改善が5%水準で有意と報告する。これは群の情報が、既存の説明変数に加えて利用意向との関連を捉えたという比較である。自宅だけ、職場だけを用いる別モデルとの予測精度比較や、REM整備の因果効果の検証ではない。

結果と評価

記述集計で「使う可能性が非常に高い」と答えた割合は、都心に通い、既に公共交通をよく使う「典型的通勤者」群で36.8%、ほかの群ではおおむね18%だった。ただし「可能性が高い」も合わせると差は縮まる。回帰分析では、典型的通勤者群を基準にしたほかの5群のオッズ比はいずれも1未満で、5%水準で有意だった。例えば、職場が地下鉄駅に近い「都市通勤者」は0.68、自宅と職場が地下鉄駅周辺にある「車を使わない都市居住者」は0.495である。これらは高い意向を答えるオッズの比較であって、利用確率がそれぞれ32%、51%下がるという意味ではない。ドミナンス分析で寄与の上位に並んだのは、REMが自分の近隣に良いという評価、公共交通定期券の保有、所属群の順だった。

限界・注意点

【著者が述べる限界】対象は通勤であり、通勤以外の移動には異なる時間帯や行き先の傾向があり得る。元の調査標本とは異なり、分析に残った1698人は就業者人口を代表するよう再調整されていない。駅とバスに共通の1km基準を使ったことで、バスへのアクセスを過大評価した可能性がある。また、分類変数間の高い相関により、一部の立地要素が重く扱われた可能性もある。分類は所要時間や移動の容易さを直接測っていない。したがって、この結果を開業後の実利用や通勤以外の需要にそのまま当てはめることはできない。

現場への応用案

【編集上の応用案】新線の受益者を沿線人口だけで語るのではなく、「郊外から都心」「郊外から郊外」など、自宅と職場の組み合わせごとに通勤の向きと駅への近さを示す記事構成が考えられる。自宅近くに駅があることと、通勤先まで使いやすいことを分けて伝えられる。

現場で確かめるには

【編集上の導入時の検証案】同様の分類を地域の計画に使うなら、まず就業者を代表するデータで群の構成を確かめ、駅とバスへの近さの基準を変えても結果が安定するかを調べたい。開業後は、同意を得た追跡調査などで申告した意向と実際の利用を比較する。乗換え、所要時間、運行方向も別途確認し、立地による分類が捉えきれない使いやすさを点検する必要がある。

解説は原文の要旨・本文の確認範囲に基づきます。AIで作成し、同じモデルで原文との照合を行っています。全記事の人手による校閲は完了していません。「現場への応用案」「現場で確かめるには」は編集上の検討案です。

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