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自転車

雨の日の自転車走行量は分離レーンで保たれるか――シドニーの区間別データを分析

Can infrastructure, built environment, and geographic factor negate weather impact on Strava cyclists?

Hao Wu / Sunhyung Yoo / Christopher Pettit / Jinwoo Lee
Journal of Transport and Land Use

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シドニーのStrava走行記録では、物理的に分離された自転車レーンと降雨の関係は、余暇目的と通勤目的で異なった。

この論文のポイント

  • 2019年1~8月のシドニーで、道路区間ごとの毎時Strava走行量と、前日同時刻からの天候変化との関連を分析した。
  • 分離レーンは余暇目的の走行では雨量増加との負の関連を弱める方向だったが、通勤目的では雨天時の走行量を維持する関係を確認できなかった。
  • 結果はStrava利用者の区間別の関連を示し、レーン新設の因果効果や自転車利用者全体の行動を直接示さない。

背景と課題

雨や風が自転車利用を妨げることは知られている。ただし、同じ天候でも、道路の設備や周辺環境、利用目的によって走行量の変化は違うかもしれない。先行研究でも、良好な自転車設備が雨の影響を弱めるかどうかについて結果は一様ではない。本研究はオーストラリア・シドニーの走行記録アプリ「Strava」のデータを使い、天候の変化と道路区間ごとの走行量との関連が、分離レーン、雇用への到達しやすさ、海岸からの距離によってどう異なるかを調べた。対象は自転車利用者全体ではなく、Stravaに記録された走行である。

研究の方法

観測の単位は「道路区間・日・時刻」で、説明したい値は、その区間をその時刻に通ったStrava利用者数である。対象は2019年1~8月の午前6時から午後9時まで。本文は対象データを2,581区間、約120万件の時間別観測とし、前日の同時刻と対にしたモデル用データを2,548区間、約120万件の観測と記す。人数はプライバシー保護のため5人刻みで、少数の走行はゼロにまとめられる。そこで、全期間を通じて毎時20人を一度も超えなかった区間を除いた。この基準で全区間の約85%が除かれる。残る各区間には、空間的に最も近い気象観測所の毎時の雨量・気温・相対湿度・風速を対応させ、道路設備や位置の情報も結び付ける。

計算には自己回帰モデル、つまり過去の値を現在の値の説明に使うモデルを採用する。まず同一区間・前日同時刻の人数を説明変数に置き、次に雨量、気温、湿度、風速について、当日と前日同時刻との差を加える。当日の直前2時間に雨があったかを示す変数と、日曜日を基準にした曜日の変数も入れる。気温差は、当日の気温が13℃未満、13~26℃、26℃超のどの範囲にあるかを示す変数と組み合わせ、同じ気温変化でも到達した温度帯によって関係が違うかを見る。

さらに交互作用項、すなわち二つの変数を掛けて一方の関係が他方の条件で変わるかを表す項を作る。雨量差には分離レーンの有無と、自転車で30分以内に到達できる雇用数をそれぞれ掛ける。風速差には分離レーンの有無、到達可能な雇用数、海岸までの直線距離をそれぞれ掛ける。例えば雨量差の係数が負で、分離レーンとの交互作用の係数が正なら、レーンのある区間では雨量増加との負の関連が弱い、と読む。ただし雨量差の関連は雇用数によっても変わるため、二つの係数だけで全区間の効果は決まらない。通勤・余暇、男性・女性、20~34歳・35歳以上を別々にモデル化し、係数を比較する。目的と属性を掛け合わせた人数は得られず、「女性の通勤者」は分析できない。本文には係数の具体的な推定手順は記されていない。

この研究の新しさ

この研究は、道路間の走行量の大小そのものより、同一区間・同時刻で前日から人数がどう変わったかに着目する。著者は、区間ごとのStrava記録を最寄りの気象観測所の毎時データに結び付け、天候と道路・地理的条件の交互作用を利用目的や属性別に調べる点を特徴としている。これにより、「雨なら一律に減る」という見方では捉えにくい区間条件ごとの違いを検討した。ただし、前日の人数を使っても、走行量を左右する未観測の変化をすべて取り除けるわけではない。

従来研究との違い

本文が紹介する先行研究には、雨天時に良好な設備のある道路ほど走行者が減ったとするものと、設備や市街地環境が悪天候の影響を弱め得るとするものがある。本研究でも、分離レーンと降雨の関係は一様ではなかった。余暇目的のモデルでは、雨量差の係数はマイナス0.383、分離レーンとの交互作用はプラス0.455で、負の関連を相殺する方向だった。ただし、この値だけで余暇利用者全体の減少が防がれたとは言えない。通勤目的の雨量と分離レーンの交互作用は、結果表では統計的に有意でなく、通勤走行を維持する関係は確認できない。雇用への到達可能性が高い区間では、通勤走行量と雨・風との負の関連が強いという結果だった。

結果と評価

当日の雨量増加、直前2時間の降雨、風速・湿度の増加は、通勤・余暇の両モデルで走行量と負に関連した。男性のモデルでは分離レーンと雨量差の交互作用が正で統計的に有意だった一方、女性では有意でなかった。海岸から遠いほど風との負の関連が弱まる傾向は多くの群で見られたが、20~34歳ではその交互作用は有意でない。モデルの当てはまりを示す調整済み決定係数は、通勤で0.619、余暇で0.391、女性で0.090と異なる。これらは観測された区間別の関連とモデルの適合度であり、レーン新設の効果や個人の交通手段変更を測った値ではない。

限界・注意点

著者が挙げる限界は、Strava利用者が自転車利用者全体を代表するとは限らないこと、人数の丸めと少数値の秘匿が区間別データの精度を下げ得ること、道路区間間に空間的な相関があり得ることだ。低走行量区間を大幅に除いているため、結果は比較的よく使われる区間に偏る。対象期間には記録された極端な気象事象もなく、災害時などには一般化できない。編集上さらに確かめたいのは、雨天時の経路変更や公共交通への転換という説明である。本文では可能性として論じられるが、この区間別データだけでは識別できない。

現場への応用案

編集上の応用案として、雨天時の自転車対策を「分離レーンを増やせばよいか」という一問にまとめず、余暇利用と通勤利用で確認事項を分けた地域向け資料にできる。余暇利用では経路の選び直し、通勤利用では職場の着替え・シャワー設備や代替交通との関係を、検証すべき仮説として示す。これらは論文が直接観測した行動ではなく、結果を解釈するための候補である。

現場で確かめるには

編集上の導入時の検証案として、分離レーンを整備する地域では、整備前後に同じ地点・時間帯で実測カウンターによる人数を集め、雨量、直前の降雨、曜日も記録したい。通勤・余暇を区別できる調査や利用者への聞き取りも併用すれば、Strava上の区間別変化が総利用者数の維持を表すのか、別経路への移動を表すのか吟味できる。これは論文が実施した整備効果の検証ではなく、結果を地域の判断に使う前の追加調査の提案である。

解説は原文の要旨・本文の確認範囲に基づきます。AIで作成し、同じモデルで原文との照合を行っています。全記事の人手による校閲は完了していません。「現場への応用案」「現場で確かめるには」は編集上の検討案です。

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