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自転車

大学への自転車通勤は、住む地区と本人の見方でどう違うか

Understanding the effects of individual attitudes and residential neighborhood types on university commuters’ bicycling decisions

Yujin Park / Gulsah Akar
Journal of Transport and Land Use

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オハイオ州立大学の通勤者を対象に、居住地区の特徴と自転車への態度を併せて分析した研究を解説する。

この論文のポイント

  • 2015年の大学通勤調査から、居住位置と回答が揃った学外居住者677人を分析した。
  • 26項目の態度回答から8成分を残し、324の交通分析区域を5類型に分けて自転車通勤との関連を推定した。
  • 高密度・混合用途地区を基準に、中密度・混合用途地区と郊外の低密度・戸建て地区で自転車通勤との負の関連がみられた。

背景と課題

自転車に乗りやすい地区の住民が自転車通勤をしていても、地区の環境が通勤行動を変えたとは限らない。もともと自転車に乗りたい人が、その地区を選んだ可能性がある。このように交通手段への好みに応じて住む場所を選ぶことを「居住地の自己選択」という。また、自宅周辺に自転車道があっても、大学までの経路が走りやすいとは限らない。本研究は、地区の特徴、本人の態度、近隣と通勤経路への評価を併せて、自転車通勤との関連を調べた。

研究の方法

観測単位は通勤者1人である。2015年のオハイオ州立大学のオンライン調査から学外居住者を選び、居住位置を対応付けられ、分析に使う回答が揃った677人を対象とした。週1回以上、自転車で大学へ通う場合を1、それ以外を0とする二値の目的変数を作る。説明変数は性別、大学での所属、通勤距離、自転車に関する態度・知覚、居住地区の類型、そして「自転車利用の条件が住む場所を選ぶ要因だったか」という自己申告である。

まず、26項目の5段階回答に主成分分析を適用する。これは、回答間で重なる傾向を少数の成分にまとめる方法で、解釈しやすいようバリマックス回転を用いた。項目ごとの適切さを確認し、固有値が1を超える9成分を抽出した後、回答のまとまりの信頼性が低い1成分を除いて8成分を残した。「設備が整えば乗りたい」「近隣は自転車向き」「通勤経路に障害がある」などを表す。ただし、各成分を個人ごとの回帰用の値に換算する詳しい手順は本文に示されていない。

次に、交通分析区域(TAZ。交通需要を扱う地区単位)324地区を、人口・雇用・住宅の密度、戸建て住宅の割合、交差点密度、住宅の築年数の中央値、世帯所得の中央値という7指標でk-means法により分類した。回答者は自宅近くの交差道路名からTAZに対応付ける。別の地理単位にある一部の指標は、重なる面積で重み付けしてTAZに換算した。当初の6群から回答者が少ない1群を特徴の近い群と統合し、高密度・混合用途から郊外・戸建て中心までの5類型とした。k-meansに投入する指標の標準化など、前処理の細部は本文に記されていない。

最後に、説明変数の組み合わせが異なる4つの二値プロビット回帰を推定した。この回帰では、各変数に推定した係数を掛けて足した値を、標準正規分布の累積確率に変換し、週1回以上自転車で通う確率を表す。係数の符号は、ほかの投入変数を一定としたときの関連の方向を示すが、係数自体は確率の増減幅ではない。データの90%を無作為に抽出して同じモデルを50回推定し、結果の安定性も確認した。出力された係数と分類結果をモデル間で比較する。

この研究の新しさ

本研究の特徴は、住宅地を単独の密度指標ではなく、土地利用・街路・社会経済的特徴を組み合わせた類型で扱い、自転車に特化した態度や主観評価と同じ回帰モデルで検討した点にある。居住地選択の理由も自己申告の変数として加えた。また、「自宅周辺の自転車利用のしやすさ」と「大学までの経路上の障害」を別々に捉えている。

従来研究との違い

4モデルは属性と通勤距離を共通に含み、地区類型、態度成分、居住地選択の自己申告を組み合わせている。全てを含むモデル4では、高密度・混合用途地区を基準として、中密度・混合用途地区と郊外の低密度・戸建て地区が自転車通勤と負に関連した。中密度・混合住宅地区には統計的に有意な差が確認されなかった。都市の低密度住宅地区は、自己選択の申告を加えたモデル4でのみ10%水準の差が現れた。地区の係数が残ることは、地区そのものの因果効果が確かめられたことを意味しない。

結果と評価

分析対象677人のうち、週1回以上の自転車通勤者は85人、12.6%だった。「最も頻繁に使う通勤手段」が自転車である人の割合5.4%とは定義が異なる。観測された選択に対する正分類率は、全変数を含むモデル4で92.5%、モデル1で87.3%だった。ただし非自転車通勤者が87.4%を占めるため、正分類率だけでは自転車通勤者をどれほど見分けられたか判断できない。

モデル4では、設備が整えば乗りたいという態度と自転車利用の便益の認識が正、自転車利用者への否定的イメージ、安全への敏感さ、経路上の障害感が負に関連した。近隣を自転車向きとみる評価も正の関連を示したが、有意水準は10%だった。郊外・戸建て地区の住民は近隣を比較的高く評価する一方、通勤経路には障害を感じていた。これらは同時点の調査に基づく関連であり、意識の変化や施設整備の効果を測った結果ではない。

限界・注意点

著者が挙げる限界は、自転車利用者数の制約から利用頻度を細分化しなかったこと、単一大学・単一年の調査であること、実際に選んだ通勤経路の特性を扱えなかったことである。また著者は、横断データでは居住地の自己選択を完全には調整できないとしている。したがって係数を因果効果と読んだり、一般の都市通勤へそのまま広げたりはできない。

現場への応用案

【編集上の提案】自転車環境を紹介する記事では、「自宅の周り」と「目的地までの経路」を別々に点検する構成が考えられる。近隣への高い評価と通勤経路への障害感が併存しうるという本研究の結果を、両者を混同しないための問いとして使える。

現場で確かめるには

【編集上の検証案】施策の導入前に、地区ごとの道路・自転車施設の実測と住民の主観評価を照合し、経路上の交通や迂回の必要性も確認したい。導入後には同じ人の通勤頻度と転居状況を追い、居住地の自己選択も考慮して変化を調べる。これは論文で実施された効果検証ではない。

解説は原文の要旨・本文の確認範囲に基づきます。AIで作成し、同じモデルで原文との照合を行っています。全記事の人手による校閲は完了していません。「現場への応用案」「現場で確かめるには」は編集上の検討案です。

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